ケニアでの過酷な移動とフライト遅延の洗礼を受け、なんとか辿り着いたウガンダの朝。
前日の疲労が色濃く残る中、「お願い、起きて!」という親の切実な懇願に、息子はなんとか体を起こしてくれました。ホテルのビュッフェでパンを少しだけ口に押し込み、まだ薄暗い中、車に乗り込みます。
いざ、図鑑でしか見たことのなかった「野生のハシビロコウ」を探す、マバンバ湿地へのプロジェクト開始です。
1. マバンバ湿地:動かない鳥「ハシビロコウ」を探す生態系ミッション
車で15分ほど走り、マバンバ湿地(Mabamba Swamp)の船着き場へ到着しました。ここはヴィクトリア湖の北西に位置する、ラムサール条約にも登録されている広大な湿地帯です。
頼もしいガイドと、手漕ぎボートでの接近戦
最初はモーター付きの船で30分ほど進みます。息子はまだ眠そうに目を擦っていましたが、ボートが風を切って進むにつれて、徐々に野生の目覚めを迎えたようです。
途中から、水草がモーターに絡まるのを防ぎ、動物を驚かせないための「手漕ぎの木製ボート」に乗り換えます。 車を運転してくれたドライバーが、湿地のガイドさんに「こいつは日本からハシビロコウを見るためにわざわざ来たらしいから、見つけないとやばいぞ!」と冗談を飛ばし、心地よい緊張感と笑いが生まれました。
そして、手漕ぎボートで湿地の奥へ入ることわずか5分。
「いた!」
思わず立ち上がりそうになった私(父)のせいで、小さな木製ボートが大きく揺れました。(実は息子の知的好奇心以上に、父である私の悲願でもありました)
「ハシビロコウは逃げないから。俺たちがじっくり近くに連れて行ってやるから、座ってて」
ガイドさんの頼もしい一言に身を委ねます。周囲には同じようにカメラを構えた人が5人ほど、3隻の船が思い思いの角度から撮影していました。湿地に入ってすぐに出会えたのは、きっと彼が我々を待っていてくれたに違いありません。






動物園で見ていたその異様なまでの存在感。時折首の向きを変えるくらいで、本当に微動だにしません。息子も双眼鏡を食い入るように覗き込み、静かに、しかし確かな興奮を持って観察していました。
(素晴らしい仕事をしてくれたガイドさんには、感謝を込めて10USDのチップをお渡ししました)
昼食とインフラ:食のリスク管理の考え方
午前中の大興奮のミッションを終え、昼食はエンテベ市内にある「Victoria Mall(ヴィクトリアモール)」へ。中に入っている「Cafe Javas」というお店に入りました。
11時の早めランチが「戦略的最適解」だった理由
店内は、アメリカに普通にありそうな清潔でモダンなファストフードレストランです。 「せっかくウガンダに来たのだからローカル食堂へ」と思うかもしれませんが、子連れ旅行というプロジェクトにおいて「食中毒」や「食べ慣れない味で子供の機嫌が悪くなる」ことは最大のリスクです。
時間は11時と少し早めでしたが、他に外国人向けに衛生的な食事が提供できるカフェは限られています。ここで確実にお腹を満たしておくことが、午後の長距離移動を乗り切るための鉄則でした。
また、道中を歩いて気づいたのは、ウガンダはケニアの赤土の道と比べてゴミが落ちておらず、街がとても綺麗だったことです。アフリカと一口に言っても、国によってインフラや環境にこれほどの違いがある。これもまた、足を運んだからこそ得られる一次情報の学びです。



ウガンダ赤道記念碑:地球の自転を証明する「水の渦」実験
午後は、首都カンパラから南西へ2時間ほど下り、「ウガンダ赤道記念碑(Uganda Equator)」へ向かいました。
中国資本が整備した巨大インフラ
移動で驚いたのはその道路状況です。突如として現れる6〜8車線のアスファルト高速道路は中国資本によって整備されたものであり、「アフリカにおける外国資本の流入」という現代の社会科見学にもなりました。
「日本は中古車しかくれないが、中国は色々な事をしてくれている」という運転手さんの話も印象的でした。
コリオリの力:赤道の北と南で渦の向きが変わる?
赤道(緯度0度)のハイライトは、北半球と南半球で「水の渦を巻く方向が変わる」という実験です。地球の自転によって生じる「コリオリの力」を視覚的に体験できるこの装置は、理科の授業で習う知識を目の前で証明してくれます。





わずか数メートルの移動で渦の向きが逆転する様子に、息子も不思議そうな顔をしながら見入っていました。無事に赤道到達証明書も手に入れ、充実した理科のフィールドワークが完了です。
夕方: ホテルで小休憩
夕食前、一回ホテルに戻って小休憩をしました。ベッドの上でゴロゴロしたり、漫画を読んだり。
ホテルの部屋からのビクトリア湖の眺めはとても素晴らしく、少しお散歩をしました。


夕食:ヴィクトリア湖の恵み「ナイルパーチ」の慈悲深い味
夕食は、「せっかくなので現地の料理を食べたい」とお願いし、地元のホテルに特別に手配していただいたローカル料理です。ウガンダの人の夕飯は20時以降とかなり遅いらしく、無理を行って息子がお腹を空かせる18時頃に合わせてもらいました。
登場したのは、ヴィクトリア湖を代表する巨大魚「ナイルパーチ」を、生姜やニンニクと一緒に煮込んだ特製スープ。 実食してみると……長旅と早起きで疲れた胃に染み渡る、まさに「慈悲深い味」でした。


実はナイルパーチはスズキの仲間で、白身でクセがなく、日本でもフライやムニエルとして流通している魚です。生態系への影響で語られることも多い魚ですが、現地の重要なタンパク源であることを、舌を通して学ぶことができました。
まとめ:図鑑の知識を立体化した1日。明日はUWECでの特別プログラムへ!
生態系を守る手漕ぎボートから観察した「野生のハシビロコウ」。 中国資本の巨大インフラを抜け、赤道直下で地球の自転を視覚的に体験した「水の渦実験」。 そして、ヴィクトリア湖の恵みである「ナイルパーチ」を味わった夜。
まさに「生物」「地学」「社会」の知識が、実体験として一気に立体化した、これぞフィールドワークと呼ぶにふさわしい1日となりました。
さて、ウガンダ探検はまだ終わりません。 明日は「UWEC(ウガンダ野生動物教育センター)」へ向かいます。ただの動物園見学ではなく、事前に手配しておいた「飼育員体験(Behind the scenes)」という特別プログラムに親子で参加する予定です。
ハシビロコウやチンパンジーとのさらなる至近距離でのふれあい、そして世界遺産「カスビ王墓」への訪問。 ウガンダの奥深さをさらに掘り下げる明日の体験記録は、次の記事でお届けします!
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日本では絶対に叶わない「ハシビロコウと同じ檻に入る」というUWECの裏側潜入ツアーからスタート。午後はバナナの葉で包まれた王室料理ルウォンボに挑戦し、世界遺産「カスビ王墓」へ。生態系のリアルに触れた後、ケニアとは異なる深い「部族」の繋がりを肌で学び、理科と社会の知識が一気に立体化した濃密な1日の記録です。

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