ウガンダで楽しみにしていたことの一つが、赤道でした。2025年8月25日、マバンバ湿地で野生のハシビロコウを見たあと、午後に赤道へ向かいました。
日本で見る地図では、赤道はただの赤い線です。でも現地では、地面に黄色い線が引かれていて、その上に大きなモニュメントが立っています。「ここを一歩またげば北半球、もどれば南半球だよ」。そう伝えたときの息子の顔は、今でも覚えています。図鑑で見ていた「地球」が、急に足元の話になった瞬間でした。

北半球と南半球で、水の渦が逆になる?
赤道でいちばんの見どころは、水の渦の実験です。穴のあいたボウルに水を入れ、北半球側、南半球側、赤道の真上の3か所で、水がどちら向きに渦を巻いて落ちていくかをくらべます。我が家はツアーに追加でお願いして、料金は2人で180ドルでした。
ガイドのお兄さんが、水の動きが見えやすいように、黄色い花びらを浮かべてくれました。結果は、こうでした。
- 北半球側:時計回り
- 南半球側:反時計回り
- 赤道の真上:渦を巻かずに、まっすぐ落ちる
これには息子も大興奮でした。



なぜ渦の向きが変わるの?
「パパ、なんで場所によって回る向きがちがうの?」と、息子が聞いてきました。ガイドさんの説明は、「コリオリの力」でした。
コリオリの力は、地球が回っている(自転している)せいで、動いているものの向きが少しずつずれて見える力です。北半球では進む向きの右へ、南半球では左へずれます。北半球の台風が反時計回りに渦を巻くのも、この力のためです。
「地球がすごい速さで回っているから、水も引っ張られて渦ができるんだよ」と説明すると、息子は目をキラキラさせていました。
種明かし:小さなボウルの渦は、コリオリの力では決まらない
ここからは、帰ってから調べた話です。実は、コリオリの力はとても弱く、ボウルくらいの小さな水の渦の向きは、ほとんど決まりません。水を注いだときに残った回転や、容器の形のほうがずっと大きく効きます。もしボウルの水にまで効くほど強い力なら、家の洗面台やお風呂でも、栓を抜くたびに決まった向きの渦ができるはずです。
それに、コリオリの力は赤道に近いほど弱くなり、赤道の真上では、水平の向きにはまったく働きません。赤道から数メートルはなれただけで、渦の向きがはっきり逆になることはないのです。
では、なぜあんなにきれいに逆向きに回ったのか。ボウルに水を注ぐときの角度や、栓を抜くときのわずかな回転で、ガイドさんが渦の向きをつくっていた可能性が高いと思います。観光客を楽しませるための、上手な見せ方です。
決定的なヒントもありました。もし本当にコリオリの力で渦の向きが決まるなら、北半球では台風と同じ「反時計回り」になるはずです。ところがここでは、北半球側のボウルは「時計回り」でした。この点からも、ボウルの渦の向きは、水の注ぎ方や栓の抜き方で決まっていたと考えられます。
それでも、ウガンダの太陽の下で、花びらがくるくる回るのを真剣に見つめていた息子の横顔は、この旅の大事な思い出の一つです。
その1年後、小4の夏には、南米エクアドルの赤道でも同じ水の渦の実験を見ました。キトの赤道の博物館では、卵立てにも挑戦しています。2つの赤道をくらべたまとめと、キトの記事はこちらです。


帰ってから:地球儀をリビングに
帰国後、息子の地球への興味が冷めないうちに、地球儀と図鑑をリビングのまん中に置きました。「あの花びらが回ったのは、この線のところだよ」と指さすと、ただの丸い球が、自分が行った場所に変わります。
おすすめの地球儀
ウガンダの旅の記録は、こちらです。


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