ウガンダでいちばんの目的だった野生のハシビロコウには、1日目のマバンバ湿地で会うことができました。天気が悪かったときのために空けておいた予備の日が、まるごと使えることになりました。
そこで2日目(2025年8月26日)は、エンテベにあるUWEC(ウガンダ野生動物教育センター)の「Behind the Scenes(舞台裏)」ツアーと、首都カンパラにある世界遺産のカスビ王墓へ行きました。小3(9歳)の息子と、ハシビロコウにさわった1日の記録です。
ウガンダでの3日間の全体は、こちらの記事に書いています。

UWECのBehind the Scenesツアー
UWECは、もとはエンテベ動物園だった施設です。いまは、密猟やけがで保護された野生動物を世話して、自然に返す手伝いをしている教育と保護のセンターです。Behind the Scenesツアーでは、ふだんは入れない場所に、飼育員さんと一緒に入れてもらえます。
ところが、約束の時間になっても、担当の飼育員さんが来ません。息子は「……本当に今日、予約できてるの?」と不安そう。私も次の予定が気になって、何度も時計を見てしまいました。結局30分遅れで、担当の人が「やあ、待たせたね!」と明るく登場しました。
日本のように時間どおりに始まるとは限りません。「ウガンダは時間に少しゆったりしているのかもね」と笑い合いながら、ツアーが始まりました。



サイの角と、ライオン舎の裏側
30分遅れで始まったツアーでしたが、待ったかいがありました。ふだんは入れないライオン舎の裏側に回り、サイの厚い皮と角にも直接さわらせてもらいました。岩のように硬いのに、ほんのり温かい。図鑑の写真ではわからない手ざわりに、息子は目を丸くしていました。
ハシビロコウの「Sushi」にさわる
いちばんの目玉は、保護されているハシビロコウ「Sushi(スシ)」のケージに入れてもらえることです。
ハシビロコウは、大きくて鋭いくちばしを持つ鳥です。日本の動物園で、来園者が同じケージに入ることはまずありません。神戸どうぶつ王国のように柵のない展示で間近に見られる施設もありますが、それでも歩けるのは決められた通路の上だけです。小さいころから人の手で育てられ、人に慣れたSushiだからこそ、同じ場所で向き合えます。ハシビロコウにさわれる場所は、自分の知る限り、世界でもUWECくらいです。


ケージの中にいたのは30分ほど。こちらがおじぎをすると、Sushiはくちばしをカタカタ鳴らす「クラッタリング」で応えてくれました。鋭い目に見つめられながら、そっと頭をなでると、羽はカシミヤのようにやわらかく、ほんのり温かい。一方でおなかの羽はゴワゴワと硬めで、さわりすぎると、すっと後ずさりされてしまいました。
そのあとも、キリンに手から直接エサをあげたり、日本では見られないシタツンガ(沼地にすむレイヨウ)を観察したりして、ツアーは終わりました。
Behind the Scenesツアーの料金と予約のしかた
- 料金:UWECのサイトでは、東アフリカ以外から来た外国人は大人70ドル、子ども35ドルと表示されていました。料金は変わることがあるので、行く前に確認してください。
- 自分で予約するのは大変:最初は自分でメールで問い合わせましたが、返事が来ません。催促すると、1週間後にやっと3行のメールが返ってくる、という調子でした。
- 現地の手配会社にお願いするのが確実:我が家は、ケニアとウガンダの旅をまとめてお願いしていた手配会社(Oooh)に「このツアーをやりたい」と伝えたところ、現地に問い合わせて手配してくれました。とても助かりました。
- 時間には余裕を:我が家のときは30分遅れで始まりました。このあとの予定は、詰めこみすぎないほうが安心です。
お昼はカンパラで、王室料理の「ルウォンボ」
午後に向けてカンパラへ移動し、お昼はガイドさんにお願いして地元のお店へ連れて行ってもらいました。お目当ては、ウガンダの伝統料理「ルウォンボ(Luwombo)」です。
ルウォンボは、鶏肉や牛肉、野菜などをバナナの葉で包み、じっくり蒸し焼きにした料理です。19世紀の終わりごろ、ブガンダ王国の王室料理として生まれたといわれています。
運ばれてきたのは、バナナの葉に包まれたなぞの包み。見なれない見た目に、息子は最初とまどっていましたが、一口食べると表情が変わりました。バナナの葉の香りがしみたお肉は、スプーンでくずれるほどやわらかでした。


世界遺産のカスビ王墓
おなかがいっぱいになったあとは、世界遺産の「カスビ王墓」へ。カスビ王墓は、ウガンダでいちばん人口の多いガンダ族の王国(ブガンダ王国)の、歴代の王4人が眠る場所で、2001年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。大きなドームの形をしたかやぶきの建物は、木や葦、土などの自然の材料だけで作られています。

ここがただの遺跡ではないのは、いまも王の家族が住み、祈りや儀式の場所として使われているからです。入り口を守る役目は特定の一族が代々つとめていること、王は各一族から妻を一人ずつ迎えてきたことなど、日本の常識とはちがう話をたくさん聞きました。息子は静かに、真剣に聞いていました。
車の窓から:ケニアとウガンダのちがい
エンテベへの帰り道、渋滞の車の中で、運転手さんが自分の部族の名前を、ほこらしげに教えてくれました。息子に「部族ってなに?」と聞かれ、「昔から同じ地域に住んでいて、言葉や文化を一緒にしている、大きなグループのようなものだよ」と説明しました。
数日前にいたケニアの町では、部族ごとの言葉よりも、みんなが使うスワヒリ語のほうが広く使われているように感じました。ウガンダでは、自分がどの部族かというつながりを、より大切にしている空気を感じます。国境を一つこえるだけで、こんなにちがうのかと、親のほうが驚いた1日でした。
ゴリラを守るコーヒーと、マトンカレー
帰り道には、マウンテンゴリラを守る活動を支えている「Gorilla Conservation Coffee」のカフェに寄りました。おいしいコーヒーで一息つき、パッケージのかわいいコーヒー豆をお土産に買いました。


ホテルに戻っての夕食は、ウガンダ最後の夜。いろいろな料理を頼みましたが、息子が気に入ったのは意外にも「マトンカレー」でした。羊の肉は独特の風味があるので、顔をしかめるかと思いきや、ぱくぱく食べていました。旅のあいだに、食べられるものがまたひとつ増えました。
翌日は、エンテベ植物園を歩いてから、ドバイ経由で日本へ帰りました。その話は、ウガンダの記事の後半に書いています。

ドバイ、ケニア、ウガンダをめぐった10日間の全体は、こちらにまとめています。

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